manaの備忘録

性格の捻じ曲がった高校生manaの備忘録。読んだ本の感想とか紹介とか。

「山羊の歌」中原中也

 「汚れっちまった悲しみに」が読みたくて読み始めました。詩なんてそんな興味ないですし、教養の一つとして読んでおこう、それくらいの気持ちだったんですが、読み始めたら引き込まれて、寝ることもできずに何時間もかけてゆっくり味わうように読んでしまいました。

 基本的に読むのが早く、ライトノベル15分、普通の厚さの文庫なら30分、ハードカバーでも二時間以内で読み終える私ですが、この詩集にはあり得ないほど時間を掛けました。言葉の一つ一つが染みこんできて、打ちのめされました。

 内容を考察する気はありません。

 ただ中原中也は中高生のうちに触れておくべき詩人だと思います。彼の持つ苦悩に共感させられます。否応なしに言葉が入り込み、共鳴し、心が震えます。

 素晴らしいです。

 特に印象に残ったのが、「憔悴」の一節



ああ それにしてもそれにしても
ゆめみるだけの 男にならうとはおもはなかつた!